◆前回記事:「美白化粧品の効果 -その1-」
さて、前回のつづきです。
おさらいすると、医薬部外品の美白化粧品の効果効能は、
「メラニン色素生成を抑えることにより日焼けによるしみ・そばかすを防ぐ」
という定義です。
しかし、美白化粧品を使う目的は、しみ・そばかすの予防ではありません。ほとんどのかたが「しみを薄くする効果」を期待されていると思います。
治療・治癒効果は「医薬品」なので、化粧品の延長線上である「医薬部外品」には歌えない効果効能なのです。
では、化粧品や医薬部外品に美白効果(しみを薄くする効果)がないのかといえば、僕はきちんと美白効果はあると思います。
ただ、美白効果はシミの種類およびその色素沈着のメカニズムに依存していると考えられます。また、シミの種類によっては、美白成分の効果があまり期待できないものもあります。
そのため、自分のシミの種類を正確に知ることが大切です。
三十代、四十代の女性に多く見られるシミで「肝斑」と呼ばれているシミがあります。肝斑は、見分けるのが比較的容易です。
まず肝斑が出現する部位ですが、こめかみやほほ骨の辺りに多く生じます。そして特徴的なのが、左右対称に見られることがとても多いことです。シミの形は、円形ではっきりしたものではなく、もやっと広がったような形をしています。
美白化粧品のヒトでの有効性試験は肝斑で確認されることが多いため、肝斑であれば美白化粧品の効果が期待できます。
しかし、「シミをきれいさっぱりなくしたい」そう強く願っている方は、化粧品の効果では満足できないかもしれません。
シミを薄くする方法は美白化粧品だけではありません。レーザー治療や光治療、医師だけが処方できる美白剤など、効果を強く求めるのであれば医療行為による治療を行うという選択肢もあります。
それぞれの方法で、
「期待できる効果の程度」、
「効果がでるまでの期間」、
「肌にかかる負荷」、
「価格」
などが違います。自分の目的(GOAL)をしっかりと意識し、それぞれの方法のメリット・デメリットを比較検討することが大切だと思います。
次回は化粧品の美白成分と家庭でできる美肌術です。(つづく)